(2023年9月26日作成)

注意すべき前提のお話

◎谷原誠、「税務のわかる弁護士が教える税務調査における重加算税の回避ポイント」、ぎょうせい、令和元年12月1日における谷原誠の前提

・現在通用すると税理士谷原誠が考える最高裁判例から、税理士谷原誠が最高裁ルールを抽出し、あくまで税理士谷原誠私見のフォーミュラ(公式)を提示している
・学説等は取り上げず、あくまで最高裁判決のみから分析している

という点をまずはしっかりと記憶お願いいたします。

◎税理士谷原誠はなぜ最高裁判決にこだわるのか?最高裁判決のみで公式を算出しても良いのか?最高裁判決と法律の関係については、こちらのページをご参考ください。

判例とは何か?最高裁判決判例と法律の関係

税理士谷原誠は最高裁平成6年11月22日第三小法廷判決から<谷原誠ルール2>を抽出しています

<谷原誠ルール2>積極的な行為が無い場合

(1)各確定申告の時点において、真実の所得金額を隠蔽しようという確定な意図をもっており、
(2)必要に応じ事後的にも隠蔽のための具体的工作を行うことも予定して、
(3)会計帳簿類から明らかに算出し得る所得金額の大部分を脱漏し、所得金額を殊更過少に記載した内容虚偽の確定申告書を提出した

というような事情が認められる場合には、重加算税の賦課要件を満たすことになる。

弊所がおすすめする最高裁平成6年11月22日第三小法廷判決の呼び方

まず裁判例、判例を呼ぶ時、人と議論するとき、人に説明するときにおいては、「最高裁平成○○年○月○日判決」とか「○○地裁平成○○年○月○日判決」のように呼びます。わかりにくいというか呼びにくいですよね?ただ、これ仕方がないことだと思います。例えば、弊所はブラザーのレーザープリンターを利用しているのですが、インクトナーを交換するときは「TN-29J」を購入します。「ブラザーのトナー買っといて」と人に頼んでも「型番はどれ?」となります。商品で記号番号が付されても覚えにくいです、でも覚えるしかありません、私も「TN-29J」は嫌でも暗記しました。

裁判例の話に戻しますとやはり「最高裁平成○○年○月○日判決」と呼ぶしかないわけですが、有名な判例にはその裁判のテーマや内容を表す名前、あだ名がつくことがあります。最高裁平成6年11月22日第三小法廷判決は「つまみ申告判例」と一般的に呼ばれます。ただ、「つまみ申告?おつまみ?よくわからない」と私は感じました。しかし、一般的にはそう呼ばれています。

そこで弊所がおすすめする呼び名、あだ名が、最高裁平成6年11月22日第三小法廷判決=つまみ申告判例=オリジナル命名:最高裁平成6年大部分脱漏(だつろう)殊更(ことさら)過少申告判決、です。

「最高裁平成6年11月22日第三小法廷判決」と暗記しても「この判決ってどんな内容だったっけ?」となれば意味がなく、また暗記しにくいです。しかし、「最高裁平成6年大部分脱漏(だつろう)殊更(ことさら)過少申告判決」と暗記すれば、「あー多額の所得があったけどちょっとしか申告しなかったやつか」となります。また「脱漏(だつろう)」「殊更(ことさら)過少申告」という言葉もよく出てきます。

最高裁平成6年11月22日第三小法廷判決の内容

・下記においては原文を大幅に編集しておりますのでご注意ください。

事案の概要

・Xは白色申告に係るサラリーマン金融業を営んでおり、昭和53年分、昭和54年分、昭和55年分の確定申告を法定申告期限内に行いました。
・課税庁はXが3年間にわたって真実の所得金額の大部分を脱漏したので、重加算税の賦課決定をしました。
・昭和53年分当初申告所得金額21,086,749円→最終修正所得金額835,356,217(差額約8億円)
・昭和54年分当初申告所得金額31,497,478円→最終修正所得金額1,016,434,249(差額約10億円)
・昭和55年分当初申告所得金額67,554,000円→最終修正所得金額1,706,962,028(差額約16億円)
・Xは二重帳簿の作成や資料の隠匿等の積極的な行為はなかった。
・Xは取消訴訟を提起しました。

判決

正確な所得金額を把握し得る会計帳簿類を作成していながら、三年間にわたり極めてわずかな所得金額のみを作為的に記載した申告書を提出し続け、しかも、その後の税務調査に際しても過少の店舗数等を記載した内容虚偽の資料を提出するなどの対応をして、真実の所得金額を隠ぺいする態度、行動をできる限り貫こうとしているのであって、申告当初から、真実の所得金額を隠ぺいする意図を有していたことはもちろん、税務調査があれば、更に隠ぺいのための具体的工作を行うことをも予定していたことも明らかといわざるを得ない、とした。

白色申告のため当時帳簿の備付け等につきこれを義務付ける税法上の規定がなく、真実の所得の調査解明に困難が伴う状況を利用し、真実の所得金額を隠ぺいしようという確定的な意図の下に、必要に応じ事後的にも隠ぺいのための具体的工作を行うことも予定しつつ、前記会計帳簿類から明らかに算出し得る所得金額の大部分を脱漏し、所得金額を殊更過少に記載した内容虚偽の確定申告書を提出したことが明らかである。したがって、本件各確定申告は、単なる過少申告行為にとどまるものではなく、国税通則法六八条一項にいう税額等の計算の基礎となるべき所得の存在を一部隠ぺいし、その隠ぺいしたところに基づき納税申告書を提出した場合に当たるというべきである、とした。

まとめ

・最高裁判例は法律レベルの拘束力を持つ
・最高裁が積極的行為は無いが大部分を脱漏し殊更過少申告した場合の判断を示した
・税理士谷原誠が当該判例から積極的行為が無い場合の<谷原誠ルール2>を導き出している。