(2023年12月20日作成)(2024年5月16日再編集)

結論

・現在において、お金を預金せずに保管することは困難のように解されます。預金に預けるということはそのデータが残るということです。
・現在において、口座振込を全く利用せず、消費者とやり取りすることは困難と解されます。預金や通帳を通すということはそのデータが残るということです。
・現在において、ネットやホームページやアカウントを全く利用せず商売を行うことは困難と解されます。ネットを通すということはそのデータが残るということです。
・現在において、住所不特定やこっそりひっそりと商売をしていたとしても、消費者のネット上における口コミなどを制限することは困難であり、ネット上にあなたの存在を示す情報が掲載される可能性も高いです。

下記で詳細を記述します。

みなさんがイメージする無申告税務調査は昭和から平成初期の無申告税務調査かもしれません

みなさんが思い浮かべる無申告者の税務調査のイメージは下記のようなイメージと解されます。

・移動販売車のラーメン屋が口頭の注文のやり取りのみで伝票は無し、現金のみでやり取りをしており、売上は無申告。この場合の税務調査は売上伝票や通帳の売上入金の証拠がないから、おしぼりの仕入れの数やお箸の仕入れの数から売上を推計して課税する。税務調査の調査官はとても横柄な態度で荒っぽくて暴言を吐く。

ただ上記の例では様々な突っ込みどころが存在します。

・移動販売車で無申告←仮に当該ラーメン屋がおいしかったとしたら、食べた消費者が「おいしかったよ」とSNS等でつぶやくかもしれません。また移動販売車であっても営業許可が必要となります。このような状況から、税務署に対してその存在を全く隠すことは、現在においては困難と解されます。
・現金のみでやり取り←現在はキャッシュレス化が進んでおります。現金オンリーの場合は、消費者が敬遠する確率が上がります。そうなると、現金取引のみのラーメン屋の売上はたかが知れている、となると解されます。
・おしぼりの仕入れの数やお箸の仕入れの数から売上を推計←確かにそのような方法で売上を推計することも考えられます。しかしながら推計課税に関しては「納税者からの反論」もありえるところ、当該反論は基本的には尊重しなければならず、税務署としては手間が発生します。それであるならば、「その人物の所有している預金口座に定期的に売上金のようなお金が入金されている」といった動かぬ数字のほうで税務署は納税者を問い詰めてくる、と解されます。

つまり、皆さんがイメージされる無申告の税務調査のイメージは少し古い、となります。なぜイメージが古くなるのでしょうか。私見としては下記となります。

・現在出版されている税務調査の本について、上記のような古い税務調査のエピソードが多く掲載されている傾向にあること。
・テレビ等のメディアで放送される税務調査の映像が、上記のような古い税務調査のエピソードが多く掲載されている傾向にあること。

国税庁公表の税務調査のデータから明らかとなること

個人事業主について

こちらのページをご参考ください。

個人所得税及び個人消費税の税務調査等データ

下記のような分類をしてデータを集計し、発表しております。

・富裕層に対する調査状況
・海外投資等を行っている個人に対する調査状況
・シェアリングエコノミー等新分野の経済活動(シェアリングビジネスサービス、ネット広告、アフィリエイト、デジタルコンテンツ、ネット通販、ネットオークションその他新たな経済活動を総称した経済活動)
・暗号資産仮想通貨等取引
・無申告者に対する調査状況(当該無申告者がどのような取引による無申告かの分類情報は無し)

このような分類における調査対象者において、現金のみの取引である、通帳口座は利用していない、ネット取引は利用していない、そのような状況は考えにくいと解されます。

法人について

こちらのページをご参考ください。

法人税及び法人消費税の税務調査等データ
無申告に対して重加算税は賦課されるのか及び増額更正期間は5年か7年かについて

法人については、「意図的な無申告法人を把握した件数」として、おそらく無申告法人に対して重加算税が賦課された件数もわざわざ公表しています。また、「<主な不正の手口>~インターネット情報等で事業実態を把握し、取引の全貌を解明~」など不正発見の方法もわざわざ公表しています。このような解説から、上記のような無申告のラーメン屋の税務調査のような例は中心ではないと解されます。

つまり、近年においては、税務署は「効率的に多額の無申告案件について、推計ではなく実額で動かぬ証拠を手に入れることに集中している」と解されます。

現在において、私たち納税者は、ネットやデジタル取引を介在せずに経済活動を行うことが困難であることから、どこかになんらかの売上の証拠が残る世の中と解されます。

したがって、永遠に無申告を貫くことは困難な世の中と解されます。

まとめ

昭和の時代と違い、通帳、ネット、ネットアカウント、などのデジタルを通してあなたの存在は把握されます。もし仮に売上等の収入があればそれを隠すこと、それを知らないととぼけることは困難な世の中と解されます。

過少申告かつ偽りその他不正の行為、隠ぺい仮装に心当たりがある方で調査通知があった方、あきらめないでください、調査通知後から調査日の前日までに自主修正申告をすれば重加算税を回避できることが国税通則法第68条1項に定義づけられています!(こちらの解説ページをご参考ください)

税務署から電話があっても慌てないでください!調査開始前であればまだ対応策は残されております。弊所にご連絡ください!