(2024年10月30日作成)
結論
・事前通知時に調査対象期間7年と宣言される可能性はあり、また当該行為は法的に抵触しないと解されます。
・想定される具体的なケースとしては税務調査対象Aの税務調査中に、反面調査先Bが選定され当該反面調査においてBの偽りその他不正の行為の存在が確実な場合におけるBへの事前通知のような場合が考えられます。
・事前通知における調査対象期間7年が許されるのであれば調査の網を広げるという意味で常に7年通知をすればよいと思われるところ恐らくそれは実務上の手間というデメリットが大きいためしてこないと解されます。
・事前通知時に調査対象期間7年と宣言されたケースにおいて調査開始日の初日の前日までに自主修正申告することによるメリットについては現在研究中となります。
下記で詳細を記述します。
事前通知時に調査対象期間7年と宣言される可能性はあり、また当該行為は法的に抵触しないと解されます
・書籍の記述
・ネット記事の記述
で検証いたします。
書籍の記述
遺憾ながら、現在当該論点についての書籍の記述は発見できておりません。
ネット記事の記述
・6~7年前も売上計上漏れが推定できるようなケースにおいて、6~7年前の帳簿等を見たうえで課税期間を判断しますとなれば、反論は不可能
・調査対象期間が7年の事前通知が、何らかの法律に抵触しているわけではい
・資料調査課の調査などでは、事前通知で7年とされるケースもある
以上より、弊所も事前通知において7年と通知される可能性は存在し、法的に問題ないことに同意します。
想定される具体的なケースとしては税務調査対象Aの税務調査中に、反面調査先Bが選定され当該反面調査においてBの偽りその他不正の行為の存在が確実な場合におけるBへの事前通知のような場合が考えられます。
A及びBが通謀して、偽りその他不正の行為を行っていた場合、Aを税務調査していてBの反面調査が実行された場合に、Bの偽りその他不正の行為が明るみとなった状態で、Bへの税務調査事前通知が行われる場合は、Bに対して事前通知の段階で7年と宣言されることについては、法的に妥当すると解されます。
事前通知における調査対象期間7年が許されるのであれば調査の網を広げるという意味で常に7年通知をすればよいと思われるところ恐らくそれは実務上の手間というデメリットが大きいためしてこないと解されます。
ここで生じる疑問としては、
では税務署はとりあえず7年調査で事前通知すればたくさん調査できるから望ましいのではないの?
と思われますが、その可能性は低いと解されます。
・法的には5年調査が認められているにも関わらずまず3年というケースが多数を占めている
・税務調査官も調査対象期間を広げて調査することの手間その他リスクを抱えていると想像できます
・そうすると偽りその他不正の行為の確信が無い中での7年事前通知を頻発させることは考えにくい
となります。こちらのページもご参考ください。
税務調査期間3年5年7年の違いと除斥期間及び偽りその他不正の行為を自主修正申告で取消すことはできないことについて
事前通知時に調査対象期間7年と宣言されたケースにおいて調査開始日の初日の前日までに自主修正申告することによるメリットについては現在研究中となります
・事前通知時に調査対象期間7年と宣言された場合は、税務調査官は偽りその他不正の行為の存在を把握していると解されます。
・偽りその他不正の行為は隠ぺい仮装行為と同義と言ってよいほど近い存在となります。
・そうするとすでに更正の予知が発生している可能性が高いです。
・そうなると調査初日の前日までに事前自主修正申告しても重加算税回避は不可能となります。
では、当該ケースにおいて調査開始日の初日の前日までに自主修正申告することによるメリットは存在するのでしょうか。あくまで現状の分析においては、
納税者が自主的に確定申告書を作成、提出することにより本税部分を納税者の希望通りに主張することは少なくとも可能ではないか
ということとなります。その他のメリットは追究中となります。
まとめ
事前通知時に調査対象期間7年と宣言される可能性はあり、また当該行為は法的に抵触しないと解されます。