(2025年5月27日作成)
結論
・税理士に贈与税調査スポット対応を依頼した場合の税理士報酬負担額とそれにより減額できると考えられる贈与税加算税を正確に反映させた税理士報酬というのはなかなか困難となります。
・贈与税申告漏れ財産金額を確定させ、自主申告のタイミングによる加算税の税率差を考慮することにより税理士報酬との差額を算出することはある程度できるかもしれません。
下記で詳細を記述します。
税理士に贈与税調査スポット対応を依頼した場合の税理士報酬負担額とそれにより減額できると考えられる贈与税加算税を正確に反映させた税理士報酬というのはなかなか困難となります。
贈与税調査は、他税目と比べて単純なケースも多いと解されます。
・AからBへ800万円が振り込まれているがBは贈与税申告をしていない。
・AからBへ2,000万円の土地が移転しているがBは贈与税を申告していない。
このような場合は、速算で漏れた本税を算出しその加算税を算出することはある程度可能と解されます。しかしながら、下記のような困難さも存在します。
・無申告加算税又は過少申告加算税で済む前提とするのか重加算税が賦課される前提とするのかが困難でありまたそれにより大きく異なる。
ただ、こちらのページをご参考ください。
国税庁が公表している贈与税調査事績から贈与税税務調査を弊所独自に分析
上記のページをまとめますと、あくまで弊所独自の見解ですが、贈与税調査において贈与税重加算税賦課の可能性が高いと結論付けておりますので、ことからすれば重加算税賦課を回避できたとする基準で税理士報酬との比較を考えてもよいのかもしれません。
贈与税申告漏れ財産金額を確定させ、自主申告のタイミングによる加算税の税率差を考慮することにより税理士報酬との差額を算出することはある程度できるかもしれません
こちらの表をご参考ください。
贈与税調査通知前及び通知後無申告者及び過少申告者プラン料金表 | ||||||
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※申告漏れ贈与財産総額 | 報酬金額(税込) | (参考)一般贈与本税 | (参考)左記本税に対する更正予知前加算税概算7.5%とする | (参考)左記本税に対する更正予知後加算税概算15%とする | (参考)左記本税に対する重加算税概算35%とする | (参考)回避加算税差額の最小及び最大 |
110~300万 | 10~15万 | 0~19万 | 0~14,250 | 0~28,500 | 0~66,500 | 0~52,250 |
300~500万 | 10~20万 | 19~53万 | 14,250~39,750 | 28,500~79,500 | 66,500~185,500 | 52,250~145,750 |
500~700万 | 10~30万 | 53~112万 | 39,750~84,000 | 79,500~168,000 | 185,500~392,000 | 145,750~308,000 |
700~900万 | 15~60万 | 112~191万 | 84,000~143,250 | 168,000~286,500 | 392,000~668,500 | 308,000~525,250 |
900~1,200万 | 20~90万 | 191~315.5万 | 143,250~236,625 | 286,500~473,250 | 668,500~1,104,250 | 525,250~867,625 |
1,200~1,400万 | 40~120万 | 315.5~405.5万 | 236,625~304,125 | 473,250~608,250 | 1,104,250~1,419,250 | 867,625~1,115,125 |
1,400~1,600万 | 60~140万 | 405.5~495.5万 | 304,125~371,625 | 608,250~743,250 | 1,419,250~1,734,250 | 1,115,125~1,362,625 |
1,600~1,800万 | 80~170万 | 495.5~595万 | 371,625~446,250 | 743,250~892,500 | 1,734,250~2,082,500 | 1,362,625~1,636,250 |
1,800万~ | 見積 | 見積 | 見積 | 見積 | 見積 | 見積 |
(表1)贈与税調査通知前及び通知後無申告者及び過少申告者プラン料金表20250527
またこちらのページをご参考ください。
国税庁が公表している贈与税調査事績から贈与税税務調査を弊所独自に分析
上記より、
・実地調査一件当たりの申告漏れ課税価格は約920万円である。
となります。そこで表1において申告漏れ贈与財産総額900万円を考えます。
・申告漏れ贈与財産総額が900万円の場合、本税は191万円である。
・税理士に依頼せず贈与税調査の結果重加算税が賦課された場合は、668,500円である
・一方で税理士に依頼して調査通知後税務調査初日の前日までに自主申告をした場合の加算税は143,250円である。
・差額は525,250円であるため、当該金額以下の税理士報酬であれば税理士に報酬を支払ってもなお支払う加算税を減額できると考えることができる
したがって、他の税目に比較すれば算出しやすいのかもしれません。
初回面談で税理士報酬に見合う金額的メリットを必ず保証してほしい、という相談は受け付けておりません
税理士に相続税調査スポット対応を依頼した場合の税理士報酬負担額とそれにより減額できると考えられる相続税加算税を正確に反映させた税理士報酬料金設定は遺憾ながら困難であることについて
まとめ
・贈与税調査については金銭的メリットの算出はある程度可能かもしれません。
・しかし、金銭的メリット以外にもその他メリットがございますので、まずはご相談いただければと思います。