(2023年4月21日作成)(2023年11月29日再編集)
まず明確にしなければならない点
・ご自身が店と雇用契約を結んでいる
・ご自身が店と業務委託契約を結んでいる
まず、ご自身がどちらかご判断ください。なお判断方法は後述します。
次に業務委託の場合に明確にしなければならない点をお伝えします。
業務委託契約の場合に明確にしなければならない点
・「ホステス等に報酬・料金を支払うときは、所得税および復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません。」における「ホステス等」の範囲に、ホステス、キャバ嬢、風俗嬢、ホスト、は含まれるのか?という論点です。
国税庁において下記の規定が明示されています。
源泉徴収の範囲
ホステス等に支払う報酬・料金として、所得税および復興特別所得税を源泉徴収しなければならない場合は、次に該当する場合となります。
1 バーやキャバレーの経営者が、そこで働くホステスなどに報酬・料金を支払う場合
2 いわゆるバンケットホステス・コンパニオン等をホテル、旅館その他飲食をする場所に派遣して接待等の役務の提供を行わせることを内容とする事業を営む者が、そのバンケットホステス、コンパニオン等に報酬・料金を支払う場
(注) このバンケットホステス・コンパニオン等とは、ホテル、旅館、飲食店その他飲食をする場所で行われるパーティー等の飲食を伴う会合において、専ら客の接待等の役務の提供を行うことを業務とする人をいいます
つまり、
・ホステス←業務委託の場合は源泉徴収されることが明確化している
・バンケットホステス←業務委託の場合は源泉徴収されることが明確化している
・コンパニオン←業務委託の場合は源泉徴収されることが明確化している
では、
・キャバ嬢?
・風俗嬢?
・ホスト?
はどのような取り扱いになるのか疑問かと思います。弊所の調べた結果、結論としては明確ではなく解釈の範囲となると解されます。以下において弊所独自の見解を述べたいと思います。
・キャバ嬢←ホステスに準ずる扱いとして業務委託の場合は源泉徴収されるべきという説が有力と解されます。
・風俗嬢←上記ホステス等には含まれず業務委託の場合は源泉徴収されないという説が有力と解されます。
・ホスト←ホストとはまさにホステスの性別が反対の存在ですから、業務委託の場合は源泉徴収されるべきという説が有力と解されます。
以上から、ホステス等の範囲についていくら論じても回答はでないことから、ナイトワーカーとして下記を定義づけて、「給与か業務委託報酬か」という点で論じることが有益と思われます。
・ナイトワーカーの定義
◎ホステス
◎ホスト
◎ガールズバー勤務
◎風俗嬢
◎セクキャバ嬢
◎ヘルス嬢
◎ソープ嬢
◎その他上記に近い職業
ナイトワーカーの皆様、もし仮に無申告であってもまずは逮捕はされないと思いますのでご安心ください
脱税、無申告、などで逮捕されるかどうかについてはこちらのページをご参考ください。
告発逮捕される国税査察部(マルサ)調査と単なる税務調査の違いを明確に理解しましょう
以上から、ナイトワーカーの方が逮捕されるケースはよほど悪質高額でなければあり得ないということをお伝えします。
追徴税額を払うお金を貯金しているかどうかは重要です。
本税、それに伴う加算税を要するに支払うことができるのかどうか、は重要です。こちらのページをご参考ください。
無申告の厳罰化が進んでいます
隠ぺい仮装や無申告を指摘された納税者の税務調査中の後出し簿外経費が不可に
ナイトワーカーが無申告の場合についての解説
・教科書的な解決法を解説
・教科書通りにはいかない現実の実態を予想して解決法を解説
ナイトワーカーが無申告の場合についての解説(教科書的な解決法を解説)
1、まずご自身が雇用契約か業務委託契約かを確認する
2、雇用契約かつ1か所勤務であれば店に年末調整の義務がありご自身は何もしなくて完了
3、雇用契約かつ昼職勤務や他事業所勤務の2か所以上勤務であればご自身が給与所得を合算して確定申告の必要あり
4、業務委託契約の場合は必ず確定申告の必要あり
となります。
1、まずご自身が雇用契約か業務委託契約かを確認する
ご自身と店の関係性について
・書面で交わした契約書が存在する
・書面で交わした契約書が存在せず、口頭のみ
・年末に源泉徴収票が発行される
いずれでしょうか。
・書面で交わした契約書が存在するのであれば、書面で雇用契約か業務委託契約かいずれかをご確認ください。
・書面で交わした契約書が存在せず、口頭のみ、の場合は不明となるのですが、明確な雇用関係がない場合は、税務署を含めた処分庁は、業務委託契約に該当すると指摘する可能性が高いです。
・年末に源泉徴収票が発行される場合は、雇用契約となります。
2、雇用契約かつ1か所勤務であれば店に年末調整の義務がありご自身は何もしなくて完了
ご自身がその店と雇用契約関係で1か所のみ勤務の場合は、いわゆる世間一般のサラリーマンと同様に事業者が年末調整を行うためご自身は何もしなくて良く、納税の責任はその事業所にある、と解されます。
3、雇用契約かつ昼職勤務や他事業所勤務の2か所以上勤務であればご自身が給与所得を合算して確定申告の必要あり
・ご自身が店と雇用契約にあり、昼間に他の事業所で働いている、また他の事業所のナイトワーカーである、という場合は2か所以上給与として確定申告が必要となります。
・昼職の職場がナイトワークを禁止している場合かつ昼職の職場が住民税の特別徴収天引きをしていると、ナイトワークによる収入の増加により、住民税の金額が増加して昼職の職場にばれてしまう可能性が高まります。なお、ナイトワーク分の住民税のみ普通徴収ということは制度上不可能となっております。こちらのページもご参考ください。
4、業務委託契約の場合は必ず確定申告の必要あり
・業務委託の場合は個人事業主であり確定申告が必要となります。
・開業届出を提出していないから開業していないというのは通用せず、実質的に個人事業主として開業となります。
・収入は、店から受け取ったお金となります。なお、おそらく店は源泉徴収をしていないと思われますのでその全額が収入となると解されます。ご自身が予想した報酬額よりやや少ない受け取りの場合は源泉徴収されている可能性があります。
・経費は、そのナイトワークに関係する費用となります。
ナイトワーカーが無申告の場合についての解説(教科書通りにはいかない現実の実態を予想して解決法を解説)
1、まずご自身が雇用契約か業務委託契約かを確認するのですが、よくわからないでしょう
ナイトワーク、夜の世界、という性質を想像しますと、恐らく契約もよくわからないと思われます。したがって「雇用以外は業務委託と解するしかない」という意味で恐らくナイトワークの多くは業務委託の可能性が高いです。なぜなら店側もその方が楽だからと解されるからです。
2、雇用契約かつ1か所勤務であれば店に年末調整の義務がありご自身は何もしなくて完了のはずですが、そうはいかないかもしれません
仮に雇用契約であった場合は、教科書的な考えとしては、当然店が年末調整を適切に行うはずなのですが、ナイトワーク、夜の世界、という性質を想像しますと、それも確かなものとはわかりません。ご自身としては、もし何か税務署からの指摘があった場合は、とにかく雇用による給与所得であることをアピールすることになります。
3、雇用契約かつ昼職勤務や他事業所勤務の2か所以上勤務であればご自身が給与所得を合算して確定申告の必要あり、ですが資料が不足するかもしれません
ナイトワーク、夜の世界、という性質を想像しますと、そのナイトワークの勤務先が源泉徴収票を適切に発行してくれるかどうかは不明となります。しかし、そのままでは脱税、確定申告が完了しませんので、ご自身が受け取った金額をご自身が集計して概算で合算して確定申告の計算をしなければならない状況もあるかもしれません。
4、業務委託契約の場合は必ず確定申告の必要ありなので、ご自身が業務委託かどうかは不明でも申告するしかないように解されます
ナイトワーカーは店との関係も不明、店が源泉徴収しているかどうかはご自身の満額報酬との差額を自分で気が付くしかない、など不明点が多々あると予想されますが、ナイトワーカーは、とにかく申告する必要性が高いように解されます。
まとめ
ナイトワーカーは高い確率で業務委託報酬としての確定申告の必要性が高そうです。
過少申告かつ偽りその他不正の行為、隠ぺい仮装に心当たりがある方で調査通知があった方、あきらめないでください、調査通知後から調査日の前日までに自主修正申告をすれば重加算税を回避できることが国税通則法第68条1項に定義づけられています!(こちらの解説ページをご参考ください)
税務署から電話があっても慌てないでください!調査開始前であればまだ対応策は残されております。弊所にご連絡ください!