(2023年4月19日作成)(2024年9月12日再編集)
結論
・平成25年以降はみなさんがイメージするような荒っぽい税務調査は減少していると解されます。
・しかし納税者が理不尽と感じるような税務調査は平成25年以降も存在すると解されます。
・令和4年9月に実施された税務調査において調査開始宣言を明示せずに初回電話の段階で更正の予知を発生させ税務調査前事前自主修正申告の機会を奪った調査について国税不服審判所は調査の違法性を問題視せず国税に有利な判断をしました。
・平成25年以降は重加算税の理由付記が義務付けられましたが、当該理由付記の内容が国税不服審判所に否定される事例も存在しています。つまりもっともらしい理由の重加算税賦課処分だが実は反論すれば取り消される可能性もあります。
・平成25年以降は、重加算税の理由付記の影響により導入された質問応答記録書において納税者の不利な発言を誘導して記録しようとする理不尽な重加算税が存在すると解されます。
下記で詳細を記述します。
平成25年以降はみなさんがイメージするような荒っぽい税務調査は減少していると解されます。
こちらのページをご参考ください。
平成25年以降はみなさんが今でもイメージするような荒っぽくて理不尽な税務調査はさすがに減少していると解される理由
改めてまとめますと下記です。
・平成25年以降は調査通知・事前通知が明文化されている
・平成25年以降は無予告調査が実施される要件の規定が明文化されている
・平成25年以降は重加算税の理由付記が明文化されている
かつてに比べれば、税務調査を行うための正式な手順が整備されているといえます。実際に平成25年以降は年間調査実施件数が大幅に減少したと言われており、これは手続きの整備化が原因と言われています。
しかし納税者が理不尽と感じるような税務調査は平成25年以降も存在すると解されます
理由は下記となります。
・事前通知及び調査通知は明文化されているが、調査開始宣言は明文化されていないため、更正予知の発生について理不尽な裁決が国税不服審判所の公表裁決として公表されたため、実際にまだ理不尽な税務調査は存在していること
・国税不服審判所公表裁決隠ぺい仮装を認めなかった事例の中には、重加算税賦課決定処分における隠ぺい仮装の理由付記に不備は無いが隠ぺい仮装が認められなかった事例が存在した、つまり重加算税の理由付記としてもっともらしい理由が付記されている場合であっても国税不服審判所に判断を仰げば実は隠蔽仮装に該当しないケースも存在してること
・法的根拠のない質問応答記録書を作成して重加算税を賦課しようとするケースが存在していること
下記で詳細を記述します。
事前通知及び調査通知は明文化されているが、調査開始宣言は明文化されていないため、更正予知の発生について理不尽な裁決が国税不服審判所の公表裁決として公表されたため、実際にまだ理不尽な税務調査は存在していること
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国税不服審判所公表裁決において税務署からの初回電話と調査開始宣言と更正の予知の関係性に関する重要な事例が存在した
当該裁決は令和4年9月に税務調査が行われた裁決(平成25年以降)ですが、初回電話において、調査通知とも調査開始宣言とも何も明確にせず、いきなり申告内容の質問をした、という事例でした。また国税不服審判所は、当該調査の違法性については言及していません。当該原因は「調査開始宣言」については明文化されていないことではないか、というのが弊所の私見となります。
重加算税の理由付記としてもっともらしい理由が付記されている場合であっても国税不服審判所に判断を仰げば実は隠蔽仮装に該当しないケースも存在してること
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国税不服審判所公表裁決隠ぺい仮装を認めなかった事例の中には、重加算税賦課決定処分における隠ぺい仮装の理由付記に不備は無いが隠ぺい仮装が認められなかった事例が存在した
当該ページを改めてまとめますと下記です。
・国税不服審判所は重加算税賦課決定処分における隠ぺい仮装の理由付記に不備は無いとしました
・しかし国税不服審判所が理由付記の内容を検討すると、重加算税賦課要件を満たさず取り消すべきと判断しました
・つまり理由付記でもっともらしい理由が記述されていても実は重加算税じゃない可能性もあるということです
法的根拠のない質問応答記録書を作成して重加算税を賦課しようとするケースが存在していること
こちらのページをご参考ください。
・国税不服審判所公表裁決隠ぺい仮装を認めなかった事例の中には、処分庁が作成した質問応答記録書や処分庁が記録した申述内容が争点の核となるような事例において処分庁の主張を認めず隠ぺい仮装が認められなかった事例が存在した
・税理士鴻秀明の質問応答記録書に対する批判的な意見
改めてまとめると下記となります。
・質問応答記録書の作成や署名押印に法的根拠は乏しいとされています。
・国税不服審判所公表裁決を見ると質問応答記録書が積極的に活用されているように見受けられます。
・国税不服審判所が質問応答記録書について検討したところ、当該内容だけでは重加算税賦課要件を満たさないと判断された事例も存在しています。
・国税不服審判所で争われた事例は顕在化しますが、税務調査で調査官の言いなりになってしまった納税者が質問応答記録書に不利な回答を記述されて重加算税が賦課されている事例が多く存在して埋没しているのではないかと推測されます。
まとめ
・現在もなお存在する理不尽な税務調査には反論しましょう。
・また弊所は理不尽な税務調査と戦っていく所存です。