(2025年5月26日作成)

結論

・贈与税税務調査は毎年平均して約3,600件実地調査が行われている。
・行われた贈与税実地調査のうち約93%において非違が指摘されている。
・贈与税実地調査で非違が指摘されたうちの約84%は無申告である。
・実地調査一件当たりの申告漏れ課税価格は約920万円である。
・贈与税実地調査で非違が指摘されたうちの約67%は現金預貯金の指摘である。
・あくまで弊所独自の見解ですが、贈与税税務調査においては無申告重加算税40%が賦課されている可能性が高いですが、的外れの可能性もあります。

下記で詳細を記述します。

国税庁が公表している贈与税調査事績

事務年度における相続税の調査等の状況のうち贈与税事案の実地調査の状況平成22事務年度平成23事務年度平成24事務年度平成25事務年度平成26事務年度平成27事務年度平成28事務年度平成29事務年度平成30事務年度令和元事務年度令和2事務年度令和3事務年度令和4事務年度令和5事務年度平均
1実地調査件数(件)4,881 5,671 4,599 3,786 3,949 3,612 3,722 3,809 3,732 3,383 1,867 2,383 2,907 2,847 3,653
2申告漏れの非違件数(件)4,554 5,331 4,152 3,424 3,616 3,350 3,434 3,565 3,549 3,217 1,769 2,225 2,732 2,630 3,396
7弊所独自算出非違割合(2/1)(%)93.394.090.290.491.592.792.293.595.095.094.793.393.992.393.0
82のうち有申告(%)公表無17.718.013.814.615.719.717.317.415.317.816.917.215.816.7
92のうち無申告(%)公表無82.382.086.285.484.380.382.782.684.782.283.182.884.283.3
3申告漏れ課税価格(億円)285 280 223 216 176 195 1,918 189 207 218 109 175 206 264 333
103のうち有申告(%)公表無13.916.412.28.512.792.414.011.7公表無公表無公表無公表無公表無
113のうち無申告(%)公表無86.183.687.891.587.37.686.088.3公表無公表無公表無公表無公表無
4追徴税額(億円)92 79 63 75 49 49 453 57 67 78 37 68 79 108 97
5実地調査一件当たり/申告漏れ課税価格(3/1)(万円)584 494 485 571 447 540 5,153 497 555 643 584 734 708 926 923
6実地調査一件当たり/追徴税額(4/1)(万円)188 140 137 197 124 136 1,218 148 181 231 201 287 270 380 274

(表1)事務年度における相続税の調査等の状況のうち贈与税事案の実地調査の状況20250526

公表無調査事績に係る申告漏れ財産の金額による割合左記に同じ左記に同じ左記に同じ左記に同じ事務年度における相続税の調査等の状況のうち調査事績に係る財産別⾮違件数(延件数)による割合左記に同じ左記に同じ左記に同じ左記に同じ左記に同じ左記に同じ左記に同じ
贈与税調査事績に係る財産別非違金額による割合又は件数による割合平成22事務年度平成23事務年度平成24事務年度平成25事務年度平成26事務年度平成27事務年度平成28事務年度平成29事務年度平成30事務年度令和元事務年度令和2事務年度令和3事務年度令和4事務年度令和5事務年度平均
現金預貯金(%)公表無63.36249.569.360.173.172.774.375.774.269.269.163.967.4
有価証券(%)公表無8.813.631.47.419.79.911.79131012.31014.413.4
土地(%)公表無7.96.63.633.63.53.53.68.11.32.52.83.24.5
家屋(%)公表無1.21.11.20.831.11.11.12.10.91.11.41.41.5
その他(%)公表無18.716.614.319.513.712.41112113.614.916.717.013.1
現金預貯金(件)公表無公表無公表無公表無公表無公表無2,725 2,812 2,875 2,600 1,402 1,677 2,004 1,824 2,240
有価証券(件)公表無公表無公表無公表無公表無公表無369 454 347 448 188 298 290 412 351
土地(件)公表無公表無公表無公表無公表無公表無129 136 138 279 25 60 82 91 118
家屋(件)公表無公表無公表無公表無公表無公表無41 43 43 72 17 26 40 41 40
その他(件)公表無公表無公表無公表無公表無公表無463 425 464 36 257 361 485 485 372

(表2)事務年度における相続税の調査等の状況のうち贈与税調査事績に係る財産別非違金額による割合又は件数による割合20250526

国税庁が公表している贈与税調査事績から分析した内容

国税庁が公表している贈与税調査事績から弊所が読み取った内容は下記です。

・贈与税税務調査は毎年平均して約3,600件実地調査が行われている。
・行われた贈与税実地調査のうち約93%において非違が指摘されている。
・贈与税実地調査で非違が指摘されたうちの約84%は無申告である。
・実地調査一件当たりの申告漏れ課税価格は約920万円である。
・贈与税実地調査で非違が指摘されたうちの約67%は現金預貯金の指摘である。

あくまで弊所独自の見解ですが、贈与税税務調査においては無申告重加算税40%が賦課されている可能性が高いですが、的外れの可能性もあります

あくまで弊所独自の分析であり、保証はできかねますが、現状取得可能な資料から最大限分析した結果、贈与税税務調査においては無申告重加算税40%が賦課されている可能性が高いです。算出根拠は下記となります。

・実地調査一件当たりの申告漏れ課税価格は約920万円である。
・贈与税実地調査で非違が指摘されたうちの約84%は無申告である。
・920万円を一般贈与した場合の贈与税額は199万円である。
・実地調査一件当たりの追徴税額は約274万円である。
・加算税は274万-本税199万=75万円
・加算税75万円/本税199万円=37.6%、つまり無申告重加算税40%に近い数字である。

しかしながら、

・実地調査一件当たりにおいて複数年の贈与税調査が行われたケースが含まれてる可能性があり、その場合は前提が誤っていることとなり的外れな仮説である可能性があります。

まとめ

贈与税調査においては贈与税無申告加算税40%が賦課されているかどうかは、現状においては解明しきれておりません。