(2025年8月21日作成)

無申告状態又は隠蔽仮装過少申告状態のキャバクラ風俗デリヘルソープ夜職ナイトワーク経営者様へまずはじめに申し上げたいこと

・弊所独自の見解であり、現状の税制において最大限実現可能な方法を模索しました。当該方法を保証するわけではございません。
・少なくとも隠蔽仮装申告又は無申告状態、つまるところ脱税状態の現在と比較するのであれば、認められる方法と解されます。

売上については適正に集計してください、これが大前提となります

掲題の通りとなります。キャバクラ風俗デリヘルソープ夜職ナイトワーク経営においては

・売上の集計
・仕入経費の計上による所得の圧縮

となります。後述の仕入経費の計上については、当該業種が引き起こす、どうしようもない避けられない部分からくるものもございます。

しかしながら、売上集計が正確にできない理由は存在しません。売上集計についてはまず正確にお願いいたします。ここを正確にしなくてはすべてが無駄となります。

キャバクラ風俗デリヘルソープ夜職ナイトワーク経営が抱える悩ましい論点

弊所は以下であると推測しました。

・業務委託契約するキャストがプライバシー個人情報の提示を拒否されるため、本名、領収書、請求書を取得できない、キャストが所得隠しを希望するため振込払いではなく現金渡しを希望するため支払った証拠が残らない、
・経営者側において所得税法上法人税法上外注費を計上できにくい状態
・消費税法上経費計上できない、
・報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書の提出できない

キャバクラ風俗デリヘルソープ夜職ナイトワーク経営が抱える悩ましい論点の解決法の概要

概要は下記となります。

・まず個人事業主ではなく法人経営を選択し、複数法人を経営して売上を分散させます。
・複数法人については業態のコンセプトにより分割している等の実態的な理由を整えかつ複数法人間において内部取引はしないでください。
・売上を複数法人で5,000万円以下として簡易課税適用可能条件を満たす及び所得800万円以下の減税率の恩恵を受ける
・キャストを複数法人で契約し、1法人からキャストが受ける外注費報酬を50万円以下に抑えて、支払調書50万円以下に分散させる。なお複数法人数×50万円以下がキャスト1人に対して支払うことができる外注費の最大金額となります。
・キャストに支払った日付、金額、は必ず正確に記録する
・申告期限内に申告する。

解決法の詳細解説

・租税回避行為の観点から
法人を複数運営することは認められますが、複数運営することによる合理性がなく、税負担を不当に減額することとなる場合は、否認されることとなります。定款においてコンセプトをわかる、法人の事業所、本社、営業所を分けるなどが必要と解されます。また複数法人間における取引は内部取引となり損益の付け替えと認定される可能性が高いため避けることとなります。

・法人税法の観点から
法人税法上において経費計上するためにおいてキャストからの領収書や請求書の取得保存は要件とされておらず、支払い事実を記録した帳簿のみでの計上は、期限内申告を含めた自主申告では認められると解されます。一方で、税務調査開始後における同様の手順の計上は、令和5年分以後基本的には認められないと解されます。以上より帳簿のみ記録のキャストへの外注費であっても期限内申告において計上するという方法論となります。

・消費税法の観点から
キャストからの領収書や請求書の取得保存が存在しなければ、消費税原則納税方式における仕入税額控除の要件満たすことができず納付消費税額が多額となります。一方で簡易課税方式であれば売上高に含まれる消費税に対してサービス業である50%を乗じた金額の納付で済むこととなります。つまり原則の場合の半額となります。しかし簡易課税制度は売上5,000万円以下の事業者でなければ適用できません。そのため売上を分散させるため複数法人で運営します。

・法人税節税の観点から
法人所得800万円以下は中小企業特例の減税率が適用されるため、売上分散による所得分散によりその効果が適用されます。

・支払調書提出義務の観点から
1名のキャストに対して支払う年間外注費報酬が50万円を超える場合は、キャストの個人情報を記述した支払調書の提出義務が発生します。キャストが個人情報の提出を拒否した場合には支払調書を作成できません。1法人が1名のキャストに支払う年間外注費報酬を50万円に抑えれば提出義務がなく、存在する複数法人数に応じて1名のキャストに支払うことができる年間報酬の上限が決まります。

・具体例:単独法人X運営の場合と複数法人A~E合計との税額差額

キャバクラ風俗デリヘルソープ夜職ナイトワーク経営者様向け単独法人運営と複数法人運営の場合の比較表無申告法人Zが税務調査を受けた場合法人X法人A法人B法人C法人D法人E法人A~E合計法人Xと法人A~E合計との税額差額
売上調査官による推計金額の恐れ(実額であれば220,000,000であった)220,000,000 44,000,000 44,000,000 44,000,000 44,000,000 44,000,000 220,000,000
外注費調査官による推計金額の恐れ110,000,000 22,000,000 22,000,000 22,000,000 22,000,000 22,000,000 110,000,000
法人所得調査官による推計金額の恐れ10,000,000 22,000,000 22,000,000 22,000,000 22,000,000 22,000,000 110,000,000
法人税調査官による推計金額の恐れ27,424,900 4,906,100 4,906,100 4,906,100 4,906,100 4,906,100 24,530,500 2,894,400
法人道府県民税調査官による推計金額の恐れ467,500 64,400 64,400 64,400 64,400 64,400 322,000 145,500
法人市民税調査官による推計金額の恐れ2,088,800 316,800 316,800 316,800 316,800 316,800 1,584,000 504,800
事業税調査官による推計金額の恐れ10,778,200 1,824,800 1,824,800 1,824,800 1,824,800 1,824,800 9,124,000 1,654,200
消費税調査官による推計金額の恐れ20,000,000 2,000,000 2,000,000 2,000,000 2,000,000 2,000,000 10,000,000 10,000,000
加算税多額と推測される差額15,198,900

(表1)キャバクラ風俗デリヘルソープ夜職ナイトワーク経営者様向け単独法人運営と複数法人運営の場合の比較表20250821

 

 

(図1)