他人に実施された税務調査の詳細を合法的に見ることができる国税不服審判所裁決事例について解説します

(2026年1月5日作成)

結論

・税務調査の実体験を聞きたいところですが税務調査官及び税理士には守秘義務が課されています。
・税務調査を受けた納税者自身が色々と話すことに制限はありませんがデリケートな税務調査の話を納税者自ら発信することも少ないでしょう
・税務調査がテレビやネットで報道されることがありますが、その原因は不明かつ正しい内容かどうかも不明です。
・他人の税務調査を見る唯一の方法は国税不服審判所の裁決事例を閲覧することと考えます。
以下で解説します。

税務署職員は現職時代も退職後も守秘義務が課せられているようです

税務署職員は公務員であるため国家公務員法において、職務上知った秘密は漏らしてはならない、また退職後も同様とする、と定められています。また国税庁ホームページにおいて、調査担当者には調査を通じて知った秘密を漏らしてはならない義務が課されていますので調査へのご協力をお願いします、と明記しています。いわゆる国税OB税理士が出版された本が存在しますが、作り話として加工された話、一般的な話、手続きの解説書のような本が多いという印象を受けます。

税理士についても現役時代も退職後も守秘義務が課せられています

税理士は税理士法において、税理士業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。税理士でなくなった後においてもまた同様とする、と定められています。税理士がブログやYouTubeなどで情報を発信することが増えておりますが、その詳細をこと細やかに記述することは税理士法違反に該当する恐れもあり、あくまでぼやかした記述となっています。

税務調査を受けた納税者はその詳細を発信してくれないでしょう

一方で税務調査を受けた納税者がその体験談を詳細にブログに記述して発信することは何ら問題ないと考えます。しかし税務調査を受けたことはデリケートなことであるため、納税者がこと細やかに税務調査の内容を発信するメリットが乏しいでしょう。また発信したとしてもぼやかして発信されるでしょう。

原因は不明ですが税務調査がテレビやネットで報道されることがあります

数か月に一度のペースで税務調査の報道が世間をにぎわすことがあります。先述の通り、税務署職員、税理士には守秘義務が課されており、ここから漏れることはあってはならないこととなります。残る選択肢としては、納税者の関係者が漏らしているとの説がありますが、明確な原因は不明です。また報道内容が正確かどうかも疑わしいです。こちらのページもご参考ください。
守秘義務が課されるはずの税務調査がなぜ報道されるのか

他人に実施された税務調査の詳細を知ることができる唯一の方法は国税不服審判所裁決事例を閲覧することです

国税不服審判所の裁決事例を閲覧すればその税務調査の詳細を知ることができます。国税不服審判所とは納税者に対する国の課税処分が正しかったかどうかを争う裁判所のようなところです。個人名が特定されないように、審査請求人Gなどとして匿名加工されておりますが、何月何日に納税者がこのような行動をした、というようなことが詳細に記述されています。また調査官がした質問やそれに対する納税者の行動なども記述されています。税務調査を受ける場合のイメージトレーニングにも利用できるかもしれません。

まとめ

他人に実施された税務調査を見る唯一の方法は国税不服審判所の裁決事例を閲覧することです。

Youtube動画もご参考ください

この記事の監修者

税理士 田中亨
税理士 田中亨税務調査専門税理士
プロフィール
近畿税理士会上京支部
登録番号128205
税務調査案件を全国対応している税理士
事前自主申告による税負担の軽減に全力を尽くしている
これまで多くの税務調査案件を早期解決に導いてきた
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