守秘義務が課されるはずの税務調査がなぜ報道されるのか

(2026年1月10日更新)

結論

・守秘義務が課されるはずの税務調査がなぜ報道されるのか、については現在においても原因は不明です。
・国税がリークしているという説、本人を含む関係者が漏らしているという説があるようです。
・弊所は、関係者から漏れてしまっているという説、が有力のように思います。

書籍やネットにおける見解

・久保憂希也「元国税調査官が斬る税務調査の真実」マトマ出版(2012年2月10日)からの情報
・ある税理士法人のブログ記事からの情報
・元国税調査官のブログからの情報
・元国税職員、さんきゅう倉田氏の情報
上記を参考といたしました。

久保憂希也「元国税調査官が斬る税務調査の真実」マトマ出版(2012年2月10日)からの情報

久保憂希也「元国税調査官が斬る税務調査の真実」マトマ出版(2012年2月10日)p20より

しかし国税庁が明言するわけではありませんが、修正申告をした事実がマスコミに漏れるのは国税庁がマスコミにリークしているからです。それはなぜか?有名な企業や芸能人が国税によって修正申告をした事実を知らしめることで、ほかの多くの納税者が「やっぱり国税は怖い」「国税はなんでもわかるんだ」ということを印象付けるためです。これが国税庁が組織的に行っている一罰百戒なのです。

ある税理士法人のブログ記事からの情報

ある税理士法人のブログにおいては以下のように記述されていました。

・調査官には守秘義務があり絶対に外に情報がもれることはありませんと説明しています。
・脱税事件で裁判となったり、国税当局の処分が不服で裁判を行っている場合であれば、新聞報道もわかりますが、普通の税務調査で申告もれの場合はわからないはずであり、マスコミは、独自の調査と述べています。
・記者が企業等を取材して確認しているらしいが、内容が詳細であり、不思議である。
・記者が国税局の担当官に最近の調査状況を聞きにいきます。担当官は、直接は調査先の名前は言いませんが、記者の質問になんらかの反応をしているらしい。
・また、記者会見の時等に実名の資料も置いておき、勝手に見られたようにしているらしい。

以上より、なぜ報道されるのか不思議、とのことでした。

元国税調査官のブログからの情報

ある元国税調査官のブログにおいては以下のように記述されていました。

・国税局の広報などが情報を公開していることはない。そもそも国税局や、税務署の職員は、国家公務員なので、厳格な守秘義務を課せられています。
・どうも、報道される内容の大半は、報道された本人や関係者が話しているようです。

以上より、本人や関係者が漏らしているという説、でした。

元国税職員、さんきゅう倉田氏のブログ情報

元国税職員、さんきゅう倉田氏のブログにおいては以下のように記述されていました。

・管轄の税務署や東京国税局の職員が個人的にリークすることはありません。守秘義務が課せられているし、そんなことをする動機もない。複数の国税OBの税理士さんに確認したところ、「誰がリークするのかわからない。法的根拠もわからない」という回答でした。
・推測になってしまいますが、国税庁の審議官、課税部長、調査査察部部長、徴収部長から話を聞いたり、国税の張り付き記者が総務課長から話を聞いたりしたのかもしれません。

以上より、国税張り付き記者が総務課長から聞いた、との見解でした。

2024年5月15日(水) 11:41配信ヤフー記事「巨人・有名野球選手1億円申告漏れ」、元国税職員、さんきゅう倉田氏コメントより

一般に、納税者の税務調査に関する情報が公表されることはありませんが、脱税として告発される場合や申告漏れの金額が大きい場合は新聞などで報道されています。 記事内で東京国税局のさる関係者はこう言っています。 「○○選手は、毎年の確定申告で銀座や六本木の高級クラブなどの飲食費を必要経費として計上していました。金額にして年間およそ2000万円。直近の5年をさかのぼって調べたところ、(中略)総額で約1億円もの過大な経費の計上が確認されたのです」 国税局の職員には守秘義務がありますし、週刊誌からもらえる謝礼が些少であることを考えると、○○選手に対する税務調査の情報を職員個人が週刊誌に話す可能性は低く、社会的波及効果や牽制効果などを狙った組織的なリークだと考えられます。

さんきゅう倉田氏は
・国税張り付き記者が総務課長から聞いた、と記述されているときもあります。
・一方で職員個人が週刊誌に話す可能性は低く組織的なリーク、と記述されているときもあります。

まとめ

以上をまとめた弊所の見解は以下となります。
・国税職員、税理士、税務調査を受けた対象者は、税務調査について外部に漏れぬよう細心の注意を払っていると考えます。
・しかし税務調査を受けた対象者が大企業であったり影響力の強い事業者である場合は、その対象者の関係者が多く存在します。その多くの関係者のなかからどうしても現代の情報技術の発達によって漏れてしまうのではないかと考えます。

 

この記事の監修者

税理士 田中亨
税理士 田中亨税務調査専門税理士
プロフィール
近畿税理士会上京支部
登録番号128205
税務調査案件を全国対応している税理士
事前自主申告による税負担の軽減に全力を尽くしている
これまで多くの税務調査案件を早期解決に導いてきた
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