更正の予知なしの申告とは何かについてわかりやすく解説します

(2026年1月5日作成)

結論

・まず更生の余地がなしではなく更正の予知なしです。
・税務調査開始日までに事前自主申告した場合は更正を予知しない申告と言えるようです。
・税務署からの初回電話で調査の理由を質問するとその時点で更正の予知が発生する恐れがあります。
・事前自主申告が提出される前に税務調査官が電話で調査を開始して重加算税回避を妨害しようとした事例が存在しました
・税務調査官が調査通知の段階で更正の予知を発生させたが違法調査とはならなかった事例が存在しました。
・更正の予知なしの申告のため税務署からの初回電話における日程調整は保留しかつ余計な質問はしないでください。
以下で解説します。

誤字にお気を付けください

「こうせいのよち」を漢字変換すると「更生の余地」が優先的に変換候補として挙がってきます。しかしながら、更生の余地なし、は罪を犯したものが立ち直る可能性が無い、という意味になります。正しくは更正の予知なし、となります。

国税庁は更正の予知なしの申告書について例示しています

国税庁はホームページにおいて、臨場のための日時の連絡を行った段階で修正申告書が提出された場合には、原則として「更正があるべきことを予知してされたもの」に該当しない、と公表しています。反対に、調査が開始され何らかの指摘があってから提出した申告書は更正の予知のある申告書であるとも公表しております。こちらのページをご参考ください。
更正の予知とは

税務署からの電話連絡において余計な質問はしないでください

理論上は、税務署からの初回電話の段階で「私の何を調査するのですか」と質問し、調査官が「〇〇について調べます」と発言するとその時点で更正の予知が発生すると考えられています。

税務調査官が重加算税回避を妨害しようとした事例が存在しました

他人に実施された税務調査の詳細を合法的に見ることができる国税不服審判所裁決事例というものがあります。平成30年3月29日裁決において、納税者が依頼した税理士がある日の午前中に「修正申告をする旨の申し出」をしたところ、その午後に税務調査官から税理士に対して電話で税務調査開始宣言をして調査を開始したという事例でした。調査官の意図は更正の予知を発生させて事前自主申告による重加算税回避を妨害しようとしたのではないかと考えます。こちらのページをご参考ください。
国税不服審判所公表相続税裁決の中には更正の予知の有無の判断及び調査日時変更の交渉に関係する重要な事例が存在した

税務調査官が調査通知の段階で更正の予知を発生させた事例が存在しました

他人に実施された税務調査の詳細を合法的に見ることができる国税不服審判所裁決事例というものがあります。令和5年12月7日裁決において、税務調査官が納税者への初回電話の段階でインセンティブ報酬の申告漏れについて確認したい旨を伝えてきました。その後納税者は調査日開始日までに事前自主申告しましたが、国税不服審判所はすでに更正の予知があった申告であると判断しました。また違法な調査としての言及もありませんでした。こちらのページをご参考ください。
国税不服審判所公表裁決において税務署からの初回電話と調査開始宣言と更正の予知の関係性に関する重要な事例が存在した

まとめ

調査日までに事前自主申告すれば原則として更正の予知なしの申告と考えられます。調査開始前に更正の予知を発生させない注意も必要です。

Youtube動画もご参考ください

この記事の監修者

税理士 田中亨
税理士 田中亨税務調査専門税理士
プロフィール
近畿税理士会上京支部
登録番号128205
税務調査案件を全国対応している税理士
事前自主申告による税負担の軽減に全力を尽くしている
これまで多くの税務調査案件を早期解決に導いてきた
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