無申告法人は追徴本税がそもそも高額となりそれに伴い加算税も高額となる恐れがある

(2026年1月21日更新)

結論

・個人事業主は累進課税で所得税及び住民税合計の税率は50%を超えるから法人税のほうが安い、とよく言われますが、反対に累進課税により、ある程度の所得までであれば個人事業主のほうが税負担が低い傾向にあります。
・仮に無申告個人事業主と無申告法人において、同額の売上高かつ経費0円とした場合、無申告法人のほうが税負担が高額となります。
・原因は、役員報酬計上による法人の法人所得の圧縮がなく、そのまま税率が課税されるためです。比較表により一目瞭然となります。
・無申告法人は、役員報酬の計上を失念しないことが重要と解されます。
・無申告法人の役員報酬の計上は、明確な規定は存在しないものの、許されると解されます。
以下で詳細を記述します。

一般的に法人が個人事業主より節税となると言われているのは、法人の利益所得を役員報酬へ変換後、役員報酬が給与所得控除を受けるという2段階方式であるためです。その役員報酬への変換がない場合は高額となります

無申告法人は追徴本税がそもそも高額となりそれに伴い加算税も高額となる恐れがある比較表20260121

・前提条件
◎税務調査官から無申告売上400万円を指摘された
◎しかし、費用経費に関する資料が存在せず経費0円とした場合

無申告個人事業主の税負担の合計→641,800円
無申告法人の税負担の合計→965,600円

法人で活動した方が増税となっています。この原因は、役員報酬が未計上であるためです。そのため、無申告売上と同額の役員報酬を計上することとします。なお後述しますが、当該遡及的な役員報酬の計上は可能と解されます。

無申告法人かつ役員報酬を計上した場合の税負担の合計額→438,700円

となります。原因は、まず法人所得は役員報酬により相殺され0円となり、役員報酬400万円については無条件で発生する給与所得控除が存在することによる税負担の軽減です。

以上から無申告法人はまず経費として役員報酬を失念しないことがとても重要となります。

無申告法人の場合過去の役員報酬を遡及して主張することになるが、無申告法人の支給の形跡がない、未払い、定時株主総会決議の議事録がない役員報酬を遡及して発生があったと主張することは認められるのか?違法ではないのか?という点につきまして

結論

明確な結論はないが、未払いであった役員報酬を遡及的に主張することは認められると解して問題ないと思われます。以下で根拠を解説します。

根拠

・法人税法上の役員報酬の規定は定期同額給与であれば認められるされており(事前確定届出給与、利益連動給与は割愛する)、支給されていなければならない、未払い計上は認められない規定は見受けられません。
・毎期の株主総会で役員報酬が決定されなければならないが、その議事録がなければ認められないという規定も見受けられません。
・もし仮に認められないとするならば無申告法人の追徴課税金額が高額となる事例が頻発し、当該論点はもっと有名な論点として周知されているはずだが、そのようには感じられない。

以上から、おそらく税務調査初日の前日までの期限後申告や、調査開始後における反論においても未払いの役員報酬が認められているのではないかと推測されます。

まとめ

・基本的に無申告法人については役員報酬を計上すべきと考えます。
・しかし代表者が既にほかに給与所得がある場合などは一概には言えず複雑となります。

この記事の監修者

税理士 田中亨
税理士 田中亨税務調査専門税理士
プロフィール
近畿税理士会上京支部
登録番号128205
税務調査案件を全国対応している税理士
事前自主申告による税負担の軽減に全力を尽くしている
これまで多くの税務調査案件を早期解決に導いてきた
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