弊所が税務調査開始日までに事前自主申告すれば重加算税が課されないと分析した法的根拠をわかりやすく解説します

(2026年1月5日作成)

結論

・国税通則法68条1項は隠蔽仮装を伴う過少申告者でも更正の予知のない事前自主修正申告すれば重加算税は課さないとしています。
・国税通則法68条2項は隠蔽仮装を伴う無申告者でも更正の予知のない事前自主申告すれば重加算税は課さないとしています。
・調査日時の連絡を行った段階で修正申告書が提出された場合は原則として更正の予知のないものに該当すると国税庁は公表しています。
・このような重加算税回避のルールは批判がありそうですが納税者が自主申告することにより徴税コストが下がるメリットがあると国は述べています
・よくありがちな年商を売上除外により1,000万円以下に抑えているケースで重加算税回避できなかった場合と回避できた場合の差は大きな差が見込まれます。
以下で解説します。

国税通則法とは何ですか

国税通則法とは、国税について基本的な事項及び共通的な事項を定めた法律です。したがって、所得税法、法人税法、消費税法、相続税法、贈与税法のすべてに適用がある法律です。

当初申告において隠蔽仮装があったとしても重加算税を回避できるのですか

国税通則法68条1項は、隠蔽仮装が理由で過少申告となった場合は過少申告加算税ではなく重加算税を課すけれど、更正の予知のない修正申告書を提出すれば重加算税を課しませんと定めています。

当初が隠蔽仮装を伴う無申告だったとしても重加算税を回避できるのですか

国税通則法68条2項は、隠蔽仮装が理由で無申告となった場合は無申告加算税ではなく無申告重加算税を課すけれど、更正の予知のない自主申告書を提出すれば無申告重加算税を課しませんと定めています。

更正の予知のない申告とはどんな申告ですか

臨場のための日時の連絡を行った段階で修正申告書が提出された場合には、原則として「更正があるべきことを予知してされたもの」に該当しない、と国税庁は公表しています。

事前自主申告はずるいと思われるかもしれません

事前自主申告はずるい、不公平と批判が出るかもしれませんが、国税不服審判所という税法に特化した裁判所のような機関が、調査の事務負担等を軽減することができることも勘案した結果であるとしています。隠蔽仮装を伴う過少申告者や無申告者は、その帳簿や資料がぐちゃぐちゃなケースが多いです。税務調査が専門である調査官であっても、ぐちゃぐちゃな資料を読み取っていく作業は時間及び手間というコストが発生します。事前自主申告による重加算税回避が目的であったとしても、納税者が自発的に申告してくれることは国としてメリットがあると考えているようです。

よくありがちな年商を売上除外により1,000万円以下に抑えているケースで重加算税回避できなかった場合と回避できた場合の差は大きな差が見込まれます

年商を売上除外により1,000万円以下に抑えているケースで重加算税を回避できなかった場合は以下です
・調査対象期間が7年分となります。
・所得税において重加算税が賦課されます。
・消費税において無申告重加算税が賦課されます。
・免除特例の無い延滞税がかかります
事前自主修正申告をした場合は以下となります。
・調査対象期間が5年分で済む可能性が高いです。
・所得税において過少申告加算税で済みます。
・消費税において無申告加算税で済みます。
・免除特例の適用を受けた延滞税がかかります
この差はとても大きいと思います。

まとめ

事前自主申告による重加算税回避可能の規定は国税通則法に定められています。

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この記事の監修者

税理士 田中亨
税理士 田中亨税務調査専門税理士
プロフィール
近畿税理士会上京支部
登録番号128205
税務調査案件を全国対応している税理士
事前自主申告による税負担の軽減に全力を尽くしている
これまで多くの税務調査案件を早期解決に導いてきた
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