(2020年4月4日作成)(2023年12月22日再編集)(2024年1月19日再編集)

毎年国税庁が発表する税務調査のデータ

法人税・法人消費税の調査事績の概要

参考計表別表1:法人税の実地調査状況※法人税のみor法人税及び法人消費税平成26事務年度平成27事務年度平成28事務年度平成29事務年度平成30事務年度元事務年度2事務年度3事務年度4事務年度平均
実地調査件数1千件法人税及び法人消費税95949798997625416276
非違があった件数2千件法人税及び法人消費税70697273745720314757
(非違割合:弊所独自算出)(2/1)(%)法人税及び法人消費税(73.6)(73.4)(74.2)(74.4)(74.7)(75.0)(80.0)(75.6)(75.8)(74.7)
上記のうち不正計算があった件数3千件法人税及び法人消費税1918202121167913
申告漏れ所得金額4億円法人税のみ
8,2328,3128,2679,99613,8137,8025,2866,0287,801
上記のうち不正所得金額5億円法人税のみ
2,5472,3742,5432,8912,8872,5941,4602,2082,744
調査による追徴税額6億円法人税のみ
1,7071,5921,7321,9481,9431,6441,2071,4381,868
上記のうち加算税額7億円法人税のみ
29年事務年度まで非公表29年事務年度まで非公表29年事務年度まで非公表29年事務年度まで非公表306265177246311
不正発見割合(3/1)
(29年以前弊所独自算出)
8法人税及び法人消費税20.019.120.621.421.121.626.522.720.721.5
調査一件あたりの申告漏れ所得金額(4/1)9千円法人税のみ
8,6558,8848,53410,23513,96510,23021,16814,78812,570
不正一件あたりの不正所得金額(5/3)10千円法人税のみ
13,73412,84512,86414,06613,85915,73122,08323,83321,366
調査一件あたりの追徴税額(6/1)11千円法人税のみ
1,7951,7021,7881,9951,9642,1564,834
3,528
3,010
参考計表別表3:法人消費税※法人消費税のみor法人税及び法人消費税平成26事務年度平成27事務年度平成28事務年度平成29事務年度平成30事務年度元事務年度2事務年度3事務年度4事務年度平均
実地調査件数1
千件法人消費税のみ91909394957425406174
非違があった件数2
千件法人消費税のみ52525555564416243543
(非違割合:弊所独自算出)(%)法人消費税のみ(57.1)(57.7)(59.1)(58.5)(58.9)(59.4)(64)(60)(57.3)(58.7)
上記のうち不正計算があった件数3千件法人消費税のみ141415161613581112
不正発見割合(3/1)(弊所独自算出)%法人消費税のみ(15.4)(15.6)(16.1)(17.0)(16.8)(17.6)(20.0)(20.0)(18.0)(16.9)
調査による追徴税額4億円法人消費税のみ4525657857488007237298691,357
上記のうち不正計算に係る追徴税額5億円法人消費税のみ118154292233233201178309390
調査一件あたりの追徴税額(4/1)6千円法人消費税のみ4946268427958389792,9722,1732,231
不正1件あたりの追徴税額(5/3)7千円法人消費税のみ8411,0731,9151,4741,4481,5773,3134,0813,718
簡易な接触※法人税のみor法人税及び法人消費税平成26事務年度平成27事務年度平成28事務年度平成29事務年度平成30事務年度元事務年度2事務年度3事務年度4事務年度平均
簡易な接触件数千件法人税及び法人消費税非公表非公表非公表非公表434468676657.6
申告漏れ所得金額億円法人税及び法人消費税非公表非公表非公表非公表4442768878
追徴税額億円法人税及び法人消費税非公表非公表非公表非公表40276210471
法人税・消費税/調査事績の概要/実地調査の状況※法人税のみor法人税及び法人消費税4事務年度
実地調査件数千件法人税及び法人消費税62
申告漏れ所得金額億円法人税のみ7,801
追徴税額億円法人税及び法人消費税3,225
調査1件あたりの追徴税額千円法人税及び法人消費税5,241
※「(注2)追徴税額には加算税、地方法人税及び地方消費税(譲渡割額)を含みます。「(注3)調査1件当たりの追徴税額は、法人税・消費税の各実地調査1件当たりの追徴税額(本税及び加算税)を合計しています(Ⅲ 参考計表 1 法人税・法人消費税等の調査事績 別表1「11 欄」及び別表3「6欄」の合計。)。」という情報から、弊所独自に内数(うちすう)であるか外数(そとすう)であるかを推測(国税庁へ問合せ確認していない)

海外取引法人等に対する実地調査の状況

海外取引法人等に対する実地調査の状況平成26事務年度平成27事務年度平成28事務年度平成29事務年度平成30事務年度
実地調査件数千件12,95713,04413,58516,46615,650
海外取引等に係る非違があった件数千件3,4303,3623,3354,5004,367
上記のうち不正計算があった件数千件418438500696646
海外取引等に係る申告漏れ所得金額億円2,2062,3082,3663,6706,968
上記のうち不正所得金額億円393167206206227
調査一件あたりの海外取引等に係る申告漏れ所得金額千円17,02317,69617,41822,28644,524

無申告法人に対する実地調査の状況(法人税及び法人消費税)

無申告法人に対する実地調査の状況(法人税)22事務年度23事務年度24事務年度25事務年度26事務年度27事務年度28事務年度29事務年度30事務年度令和元事務年度2事務年度3事務年度4事務年度
実地調査件数15,2786,0353,9562,8542,7192,5552,6232,5932,6831,9621,4161,4821,632
上記のうち意図的な無申告法人を把握した件数2402408278212252312363435488414278326364
無申告法人に法人税の重加算税が課された割合、確率(弊所独自の算出)(2/1)3%7.66.77.07.49.212.213.816.718.121.119.621.922.3
調査による追徴税額4百万円10,2096,7885,5613,3803,2214,5896,4225,0177,5956,3725,1439,0619,476
上記のうち意図的な無申告法人に係る追徴税額5百万円6,9324,4822,3372,0571,7212,2282,7782,7074,3374,1453,3076,3226,059
無申告法人に対する実地調査の状況(消費税)22事務年度23事務年度24事務年度25事務年度26事務年度27事務年度28事務年度29事務年度30事務年度元事務年度2事務年度3事務年度4事務年度
実地調査件数13,9864,3732,9772,1822,0701,9811,9881,9891,9991,5051,1781,2231,370
上記のうち意図的な無申告法人を把握した件数2265292195155179214244302337293229267309
無申告法人に法人消費税の重加算税が課された割合、確率(弊所独自の算出)(2/1)3%6.66.66.57.18.610.812.215.116.819.419.421.822.5
調査による追徴税額4百万円5,5375,8074,3883,4893,5744,0375,0215,8896,6385,27511,0388,23110,544
上記のうち意図的な無申告法人に係る追徴税額5百万円1,2171,3937236787507701,4941,5792,1591,8856,1513,6384,668

不正発見割合の高い10業種及び不正1件当たりの不正所得金額の大きな10業種(法人税)

不正発見割合の高い10業種(法人税)平成26事務年度平成26事務年度平成26事務年度平成27事務年度平成27事務年度平成27事務年度平成28事務年度平成28事務年度平成28事務年度平成29事務年度平成29事務年度平成29事務年度平成30事務年度平成30事務年度平成30事務年度元事務年度元事務年度元事務年度2事務年度2事務年度2事務年度3事務年度3事務年度3事務年度4事務年度4事務年度4事務年度
業種目不正発見割合(%)不正1件当たりの不正所得金額(千円)業種目不正発見割合(%)不正1件当たりの不正所得金額(千円)業種目不正発見割合(%)不正1件当たりの不正所得金額(千円)業種目不正発見割合(%)不正1件当たりの不正所得金額(千円)業種目不正発見割合(%)不正1件当たりの不正所得金額(千円)業種目不正発見割合(%)不正1件当たりの不正所得金額(千円)業種目不正発見割合(%)不正1件当たりの不正所得金額(千円)業種目不正発見割合(%)不正1件当たりの不正所得金額(千円)業種目不正発見割合(%)不正1件当たりの不正所得金額(千円)
1位バー・クラブ57.114,167バー・クラブ66.314,388バー・クラブ62.514,720バー・クラブ66.413,199バー・クラブ70.316,286バー・クラブ63.519,102バー・クラブ53.723,857その他の道路貨物輸送32.827,721その他の飲食36.220,201
2位パチンコ29.657,216大衆酒場、小料理43.16,097外国料理45.36,131外国料理48.14,479外国料理46.77,742その他の飲食42.913,079外国料理52.014,323医療保健31.29,136廃棄物処理29.420,328
3位ホテル、普通旅館28.416,029パチンコ32.748,946大衆酒場、小料理37.75,800大衆酒場、小料理41.85,128大衆酒場、小料理46.37,975外国料理42.37,080美容37.515,650職別土木建築工事29.618,617中古品小売28.713,520
4位廃棄物処理27.314,126自動車修理29.32,889廃棄物処理30.517,217その他の飲食店36.28,228その他の飲食店42.710,690パチンコ31.521,132医療保健36.711,469土木工事28.718,342土木工事28.116,666
5位一般土木建築工事27.210,178廃棄物処理28.917,647自動車修理28.94,095土木工事3014,006自動車修理29.24,401大衆酒場、小料理30.811,116生鮮魚介そう卸売36.235,927その他の飲食28.430,182職別土木建築工事27.718,825
6位職別土木建築工事26.47,860土木工事27.410,637土木工事28.910,139その他の道路貨物運送29.311,947土木工事28.412,570自動車修理30.74,126一般土木建築工事36.018,282化粧品小売28.035,521医療保健27.611,941
7位土木工事26.27,895一般土木建築工事26.810,646パチンコ28.630,813パチンコ29.249,290パチンコ27.830,629土木工事30.414,773職別土木建築工事36.018,287美容28.011,749一般土木建築工事26.819,405
8位自動車修理25.64,382職別土木建築工事26.59,996貨物自動車運送27.19,593職別土木建築工事27.913,221職別土木建築工事26.911,701一般土木建築工事29.113,716中古品小売33.311,508機械修理27.913,716管工事26.416,026
9位貨物自動車運送25.112,654貨物自動車運送26.312,745職別土木建設工事26.210,012自動車修理27.84,331一般土木建築工事26.915,568貨物自動車運送28.411,124医療関連サービス33.333,200一般土木建築工事27.322,538自動車、自転車小売25.111,737
10位管工事24.15,299再生資源卸売26.011,483管工事26.26,489一般土木建築工事27.214,052管工事26.98,957美容28.39,797土木工事33.213,939貨物自動車運送27.321,349美容25.010,791
不正1件当たりの不正所得金額の大きな10業種(法人税)平成26事務年度平成26事務年度平成26事務年度平成27事務年度平成27事務年度平成27事務年度平成28事務年度平成28事務年度平成28事務年度平成29事務年度平成29事務年度平成29事務年度平成30事務年度平成30事務年度平成30事務年度元事務年度元事務年度元事務年度2事務年度2事務年度2事務年度3事務年度3事務年度3事務年度4事務年度4事務年度4事務年度
業種目不正1件当たりの不正所得金額(千円)不正発見割合(%)業種目不正1件当たりの不正所得金額(千円)不正発見割合(%)業種目不正1件当たりの不正所得金額(千円)不正発見割合(%)業種目不正1件当たりの不正所得金額(千円)不正発見割合(%)業種目不正1件当たりの不正所得金額(千円)不正発見割合(%)業種目不正1件当たりの不正所得金額(千円)不正発見割合(%)業種目不正1件当たりの不正所得金額(千円)不正発見割合(%)業種目不正1件当たりの不正所得金額(千円)不正発見割合(%)業種目不正1件当たりの不正所得金額(千円)不正発見割合(%)
1位パチンコ57,21629.6民生用電気機械器具電球製造76,08011.3水運64,41612.2その他の飲食料品小売55,61824.5輸入43,85314.8その他の飲食料品小売58,11621.4自動車・同付属品製造43,23317.1情報サービス、興信所72,88716.1計量器、医療器械、理化学機械等製造85,48212.0
2位電気通信機械器具卸25,43415.9パチンコ48,94632.7民生用電気機械器具電球製造42,72413.5パチンコ49,29029.2その他の化学工業製造42,36810電子機器製造51,97012.4その他の不動産43,09522.8自動車・同付属品製造64,72323.6運輸附帯サービス63,69517.9
3位情報サービス、興信所22,10114.0水運38,36212.2精密機械器具卸売30,96510.4水運38,05614.9産業用電気機械器具製造31,45617.6建売、土地売買40,76923.9貿易41,87021.9鉄鋼製造63,69621.4鉄鋼卸売58,88217.3
4位自動車・同付属品製造20,82718.3輸入28,48511.9パチンコ30,81328.6建売、土地売買34,86323パチンコ30,62927.8鉄鋼製造38,74514.6建売、土地売買40,69330.7運輸附帯サービス55,37921.7その他の対事業所サービス43,32517.9
5位鉄鋼卸売19,63015.7自動車・同付属品製造24,77813.3再生資源卸売29,36319.4その他の繊維製品製造30,42318.9その他の卸売26,73114.7不動産代理仲介32,63025.5情報サービス、興信所40,48520.7その他のサービス52,95720.6自動車、同付属品製造41,29217.1
6位輸入19,34011.7産業用機械製造22,20819.0木材、竹材卸売28,39111.8自動車・同付属品製造28,73112.4物品賃貸24,41816.9新聞、出版31,9789.9その他のサービス38,32224.5建売、土地売買50,09825.4その他の不動産39,81917.0
7位運輸付帯サービス18,50314.8電子機器製造21,20613.7貿易28,01316電子機器製造27,59214.1建売、土地売買22,56822.3再生資源卸売28,90824.8生鮮魚介そう卸売35,92736.2その他の金属製品製造42,74421.4その他の製造37,36515.5
8位広告18,04715.6広告21,03116.7その他の飲食料品卸売26,59013.7医薬品27,20715.1自動車・同付属品製造22,12316.2くぎ、ボルト、ナット、綿材製品製造27,63811.9医療関連サービス33,20033.3化粧品小売35,52128.0野菜、果物卸売36,68715.6
9位生鮮魚介そう卸売17,21620.8その他の機械製造19,92613.7理化学機械器具等製造24,47814その他の飲食料品卸売25,56616.3再生資源卸売21,92919.4その他の不動産26,55218.3一般機械器具卸売32,25323.4その他の不動産34,61320.3電気、通信機械器具卸売34,17013.4
10位ホテル、普通旅館16,02928.4電気・通信機械器具卸19,52915.2自動車・同付属品製造20,96618.2野菜・果物卸売23,95114.7精密機械器具卸売21,9249その他のサービス26,02617.2その他の卸32,13116.8印刷34,39617.2その他の金属製品製造34,09819.2

報道発表資料、所得税法人税消費税相続税、税目別の発表項目の違いの比較

税務調査報道発表資料所得税法人税消費税相続税別の発表項目の比較所得税個人消費税法人税法人消費税相続税
特別調査及び一般調査、着眼調査に分類して集計、特別調査及び一般調査、着眼調査の意義解説有り有り無し無し無し
簡易な接触の集計有り有り有り有り有り
不正計算という文言の使用(不正計算=隠ぺい仮装=重加算税賦課か?)無し無し有り有り無し
重加算税賦課件数、重加算税賦課割合、重加算税賦課対象価格の集計無し無し無し無し有り
富裕層に対する調査の集計有り(所得税及び個人消費税の総数と解される)有り(所得税及び個人消費税の総数と解される)無し無し無し
海外事案に対する調査有り(所得税及び個人消費税の総数と解される)有り(所得税及び個人消費税の総数と解される)有り(簡易的なもの、法人税及び法人消費税の総数と解される)有り(簡易的なもの、法人税及び法人消費税の総数と解される)有り
インターネット取引に対する調査有り(所得税及び個人消費税の総数と解される)有り(所得税及び個人消費税の総数と解される)無し無し無し
無申告者に対する調査有り有り有り有り有り
申告漏れ財産に対する調査無し無し無し無し有り

上記の通り、所得税・個人消費税、法人税・法人消費税、相続税という税目ごとに、発表される項目、調査項目、集計項目に差異があります。この差異の理由については不明ですが、役所は縦割りですので、それぞれの役所ごとにやや独自の運営がされているためと解されます。下記において、所得税・個人消費税についてコメントいたします。

・法人税・法人消費税については、不正計算という文言の使用があります。しかし、不正計算の定義の説明はありません。しかし、不正計算≒重加算税賦課件数というのが弊所の独自の見解です。

鴻秀明「税務調査のガラパゴス化と重加算税」p23において、「消費税(法人)の実地調査の状況」を見ると「法人税の実地調査状況」の項目の半分以下の項目しかありません。したがって、法人課税部門の調査では、消費税はそれほど重視されていないと想定されます。また不正にかかる項目が少ないことから、消費税の調査では、重加算税の賦課決定にそれほどこだわらないでしょう、とありました。

しかし、弊所の見解では、法人消費税においても税務調査官は重加算税を重視していると推測しております。

過少申告かつ偽りその他不正の行為、隠ぺい仮装に心当たりがある方で調査通知があった方、あきらめないでください、調査通知後から調査日の前日までに自主修正申告をすれば重加算税を回避できることが国税通則法第68条1項に定義づけられています!(こちらの解説ページをご参考ください)

税務署から電話があっても慌てないでください!調査開始前であればまだ対応策は残されております。弊所にご連絡ください!